ブラザーサンシスタームーンを読み終えた感想:essaysinidleness

ブラザーサンシスタームーンを読み終えた感想

ブラザーサンシスタームーンを読み終えた感想

7月 18th, 2009

カテゴリー:本レビュー

夜のピクニックなどで知られる恩田陸さんの『ブラザーサンシスタームーン』を読み終えたので感想。

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本屋でなんとなく目に焼き付いて、見た事はないもののタイトルだけ知っていた、映画『ブラザーサンシスタームーン』と関係あるの?と思いその場でiPhoneで調べたが、違うっぽいので購入してすぐに読んでみた。

ちょいとレビューを書くのが難しい作品なので、自分の語彙では表現できなく、陳腐な表現になる事が予測されるが、なんとか書いてみるw

まず、作品はこんな感じ。

全3章構成で、高校時代とある課外授業で一緒になり同じ大学に進んだ楡崎綾音、戸崎衛、箱崎一の3人が各個人の視点で自分の4年間について語る。

楡崎綾音は文学、戸崎衛は音楽、箱崎一は映画。まったく趣味がバラバラな彼らが細い関係を持ちながら大学に進み、大人になって社会人になり、でも思い出すのは高校の頃のとある1件の出来事。

これだけ。この作品は本当にこれだけ。「え?もうちょっとちゃんと書けよ」と思うかもしれないが、本当にこれだけ。

特別なドラマなどは一切無い。物語という言葉なんて似合わない。思いついた事を語っただけ。主人公達の仕事なんかはとても華があり特別な感じの職についているが、なんていうか、大人のリアルが感じられる。

この作品の魅力

この作品は23歳未満の方が見ても、はっきり言ってクソつまらない作品だと思う。しかし、23歳を超えて感じる「あの時」のセピアで不思議な、今では想像もできないような20歳までの青春を書いたストーリー。

“小説や映画の主人公はすごく生き生きして暮らしているのに、自分はピッチャーがボールをすっぽ抜かしたかのようのな虚空感。でも、霞んではいるし、思い出したくは無い事もあるけど、唯一無二の自分が生きてきた道。それを思いだして書いた。”

これに共感できなければマジでつまらない作品になるし、自分みたいに過去を思い出しては今の自分にギャップを感じているような人には”ほろり”とくる作品になると思う。

また、この作品はジャンルの違う3人が別々の主観で書くのが良かった。

かくいう自分は人生の大半を音楽に預けて過ごしてきたし、今ものそんな感じだ。音が無いと生きて行けない。だから第2章の戸崎衛の語る「青い花」はすごく面白かった。

他にも本が好きで好きで溜まらない活字中毒な方は楡崎綾音の「あいつと私」で、映画が好きな人は箱崎一の「陽のあたる場所」に共感できる……かどうかは読み手しだいだけど、読みやすいと思う。

少々残念な所

うーん。作品の趣旨からずれるかもしれなけど、もうちょっとドラマがあってもよかった。最後に3人が絡むようなどんでん返し的な事があったり、もう少し心温まるような作品であってもよかったんじゃないかなぁ、と思う。

分かってる。これは3人が目覚める話であって、おとぎ話では無い事は。でも、やっぱり読んでいて最後に「あの1件」が残念な感じになってしまったのは非常に残念だった。だって帯に「ねえ、覚えてる?空から蛇が落ちてきたあの夏の日のことを。本と映画と音楽…それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。」なんて書かれてあったら嫌でも期待するでしょうw

それからブラザーサンシスタームーン全然関係無いw 確信を持って言える。これをタイトルにしたのは失敗だ。もっと別のタイトルにすべきだ。どうしてもこのタイトルにするのであればもっと最後の章で語るべきだ。せっかく箱崎一だったのだから。

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というわけで、ブラザーサンシスタームーンの感想でした。

ちょっと学生の事を思い出し、ほろりとしたい人にオススメです。

それでは。

“ブラザー・サン シスター・ムーン” (恩田 陸)



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